『バガヴァッドギーター』の言葉_ 自分は自分の最高の友となる。しかし、自分は最大の敵ともなる

前回

“自分の事は、自分で励まし、自分であげていくべきだ。
自分自身だけが、自分の本当の友となる。

自分を蔑んだり、見下したりしてはいけない。
自分自身だけが、自分自身の敵にもなる。“
『バガヴァッドギーター』6章‐5

という詩を読んでいきましたね。
落ち込みそうになった時、
自分の志気が下がっているな、と感じる時、
そんな自分を盛り上げていくのは自分しかいない!
どんな時も自分を見下したり、責めたりしてはいけない。
ちょっと頑張ってでも、顔をあげて、いつも自分に誇らしくしていよう。
 
そうやって、自分を上手にコントロールができるようになるのが、Yogaの力なんですな!
ほっほっほっ~

さてさて、これに関連した詩篇として、
今日はこの次の詩をみてみましょう。

『バガヴァッドギーター』6章詩篇6


【サンスクリット語原文】

बन्धुरात्मात्मनस्तस्य येनात्मैवात्मना जितः ।
अनात्मनस्तु शत्रुत्वे वर्तेतात्मैव शत्रुवत् ॥६- ६॥

【読み方】

बन्धुरात्मात्मनस्तस्य bandhurAtmAtmanastasyaバンドゥラートマートマナスタッシャ
येनात्मैवात्मना जितः ।yenAtmaivAtmanA jitahaイェーナートマイヴァートマナー ジタハ
अनात्मनस्तु शत्रुत्वे anAtmanastu zatrutve アナートマストゥ シャットゥルトヴェー 
वर्तेतात्मैव शत्रुवत् vartatAtmaiva zatruvatヴァルタタートマイヴァ シャットゥルヴァト

【単語の意味】

बन्धु: आत्मा   आत्मन:自分自身は自分の友となる。
तस्य येन आत्मा自分によって
एव आत्मना जितः 自分自身をコントロールできている人にとっては、
अनात्मन: तु शत्रुत्वे反対に、自分をコントロールできていない人にとって、
वर्तेत आत्मा एव शत्रुवत्自分は自分自身の最大の敵となる。

【詩篇の意味】

自分を収めることのできる人にとって、自分自身は最高の友となる。
反対に自分をコントロールできない人にとって自分自身は最大の敵となる。
For that (self) who has mastered oneself by oneself, the self alone is a friend of oneself. Whereas, for the self who has not mastered oneself, the self alone would remain in the status of an enemy, like an enemy.
Yogaで自分をきちんと収めることができる人。
自分は本当に何が欲しいのか?何が必要なのか?
を知り、そのために努力を惜しまない人。
そういう人にとって、自分は最高の友となる。
日々Yogaに生き、成長することができる人。
「アーサナआसन(姿勢、Yogaのポーズ)」で体を整え、呼吸を整え、
見るもの、聞くもの、話すこと、日々の活動をバランスよく選び、体と心を健やかに保つ。
何が起ころうと、常に心の動きや考え、感情の動きを冷静に、
静かに見ることができる自分を瞑想によって作り上げてゆく。
そういったYogaを日々積み重ねている人にとって、自分自身は自分にとって友となる。
親友のように、自分を助け、
本当に望んでいること=Yogaのゴールである幸せや自由に向かって共に歩んでいくための友達となる。
しかし、逆に、自分を抑えることができず、
周りの状況や物に振り回されてばかりいたら自分は自分の敵ともなる。
自分であることに居心地が悪く、受け入れることができず、
いつも
「早く変わらねば、あれをせねば、これをせねば!」
とあせったり、
「自分の事が許せない!」
なんていってイライラ、モヤモヤして自分を責めてしまったり。
そして、自分を責めるばかりか、
「自分がイライラしているのはきっとアイツのせいだ!」
とか
「落ち着かないのは、うまくいかないのは、あの状況のせいだ」
とか、自分自身に寛ぐことができず、自分であることを受け入れられない時、
私たちは外の物や人を責めたりもしてしまう。
でも、
実は「あれのせい、これのせい、あの人のせい、彼の××が悪い、彼女が○○だからっ。」
と、外の原因を指差して責める時、私たちは自分自身を一番責めている。
ちょうど人差指で何かを示す時、小指、薬指、中指のこの3本は自分自身に向いているように・・

本当の意味で、世界に敵はいない。

と、経典はいう。
敵は自分の中にいる。
敵は自分がつくっている。

自分でいることに心地が悪い、
納得がいかない
自分に不満がある、
だから落ち着かず、何をしても上手くいかない。
そういうことが敵だというのだとしたら、
その原因は、自分にしかないのだ。
たとえ自分を邪魔するように見える人がいても、
自分に嫌味や侮蔑の言葉を投げたり、憎しみや敵意をアカラサマに表してくる人がいても、
それはその人の中の“自分に対する居心地の悪さ”がそうさせているだけだ。
その人にとって自分はたまたま近くにいただけのこと。
自分に不満があり、自分の中に敵をつくっている人の高いプレッシャーが、
たまたま外にいる私たちに向かっているようにみえるだけで、
本当の問題や敵は自分の中だけにある。
“自分でいることが受け入れられない。
自分に満ち足りることができず、
納得がいかないということ。”
それだけが自分にとっての唯一の敵なのだ。

Yogaは自分にも、他人にも、世界にも敵をつくらない。

何が本当の敵なのか?
その正体を見極めるゆとりと理解を身につけ、
敵にみえる者すら受け入れられる、広さと大きさと慈悲と優しさを養い、
真の強さと力を培う術がYoga。
他人を責める前に、
自分を貶める前に、
私たちは自分のことを大事にすることからはじめよう。
世界のせいにする前に、自分のことを自分で大切にしよう。
自分で励まし、自分を整え、
自分を親友のように大事に扱う。
いつも自分でいることに心地良さを覚えられるように。
自分の中に敵をつくらないように。
そのためにYogaをする。
毎日すべきことを丁寧に行い、
体・呼吸・心・感覚・感情・考えに少し繊細になって、優しく、
規律を持って自分とつきあっていく。
初めは思うようにいかなくても、
途中で挫折しそうになっても、
たとえYogaをさぼってしまっても、
もう自分を責める必要はない。
またやればいいだけのこと。
なんどでも自分を見つめて、整えていこうとすればそれでいい。
体が求めることに耳を澄ませ、心の変化をきちんと見ていく。
そうして、一生かけて、
「自分が自分の最高の友達になろう!最高のパートナーでいよう!」
という態度でいれば、きっとYogaは上手くいく。
本来のYogaの意味を達成していくことができる。
やがて、Yogaの道が私たちを生きる目的に、本当に望むことに導いてくれる。
Yogaで自分を大切に。
自分と仲良くする。
目的に向かって道を共に歩む生涯の親友のように

どんな時も掛け替えのない自分に接していきたいものですね~
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自分を収める人にとって、自分自身は最高の友となる。
反対に自分をコントロールできない人にとって自分自身は最大の敵となる。
『バガヴァッドギーター』6章‐6
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第36代目 シャンカラチャリア 現る!
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このものものしいお出ましは、8世紀に「シヴァशिव」神の化身ともいわれた天才シャンカラチャリアの第36代目が
アシュラムにやってきた日の事。
シャンカラチャリアは、『バガヴァッドギーター』や『ウパニシャッド(奥義書、ヴェーダ聖典の最終的な教え)』に
重要な解説をつけた人。
この人の解説があったからこそ、現在までYogaの教えが伝わり残されてきたとされている、インドでは超重要人物!
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流暢なサンスクリット語と、軽快な英語でのスピーチをしてくれた36代目。
現代のシャンカラは、なかなか貫禄あります。
えらいのに、どこか気さく。
そして、インドの経典に精通している人の共通点は皆”非常にリラックスしている”
ということ。
何十人もの弟子に囲まれ、何百人の信者に囲まれても、
気取りも
緊張も
偉ぶったりもしない。
気さくで、オープンで、明るく、リラックスしていて、ユーモアのセンスがある。
声に力があって、
眼光が鋭い!
これがわたくしのような、ちびっこがみたインドに生きるYoga達人たちの共通点です。
Shankara

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